「宮沢賢治って歌を作っていたの?」
「雨ニモマケズ」を代表とする詩や、注文の多い料理店などの童話が有名な宮沢賢治ですが、作詞作曲をした歌も残しています。賢治の歌は、シンプルなメロディで口ずさみやすく、情景の広がりがあり、宮沢賢治の世界観が、歌によって体全体に伝わってきます。
代表的な宮沢賢治の歌
宮沢賢治の歌の中で、特に知られているのが「星めぐりの歌」です。 ファンタジーのような星空を感じさせる歌詞と、静かで覚えやすい旋律が特徴で、歌うことで、情景が目に浮かび、宮沢賢治の世界観を感じ取ることができます。
星めぐりの歌の歌詞全文
宮沢賢治の代表的な歌として知られる「星めぐりの歌」は、夜空の星座を詩的に表現した作品です。 ここでは、原文の表現を生かしつつ、漢字を用いた形で全文を紹介します。
赤い眼玉の蠍 ひろげた鷲の翼
青い眼玉の小犬 光の蛇のとぐろ
オリオンは高く歌い 露と霜とを落とす
アンドロメダの雲は 魚の口のかたち
大熊の足を北に 五つのばしたところ
小熊の額の上は 空のめぐりの目あて
歌詞に出てくる言葉の解説
この歌には、星座や天体に由来する言葉が多く使われています。 意味が分かると、夜空を見上げる楽しさが一段と広がります。
蠍は「さそり座」を指し、赤い眼玉はアンタレスという赤く輝く恒星のことです。 鷲の翼は「わし座」、小犬は「こいぬ座」を表しています。
オリオンやアンドロメダ、大熊、小熊はいずれも星座の名前です。 「空のめぐりの目あて」は、北極星を示し、星の動きを知る目印として描かれています。
音符が読めない方向け「星めぐりの歌」ドレミの楽譜
「星めぐりの歌」は、音域が広すぎず、シンプルで旋律線が緩やかに上下する抒情的な旋律です。
音符が読めない方にもわかるよう、ひらがなの歌詞に対応させた、簡易的なドレミの楽譜にしてみました。
「星めぐりの歌」
あ- かーいめーーだまーのさーそり
レレーレミーレ
レファ#ソーラシー シ
ひーろげーたーー わしーのつーばさ
レレーレ
ソーソソーラシー ラーソミ
あ- おーいめーーだまーのこーいぬ
レレーレミーレ
レファ#ソーラシー シ
ひーかりーのーーへびーのとーぐろ
レレーレ
ソーソソーラシー ラーソミ
オーリオーンはーたかーくうーたい
レーレミーレ
シーラソーラシーソミ
つゆーと しーもとーを おーとす
レ
レレーレ ミーソラー シーラソ
※音符は「レミファソラシド レミ」を使います。
※最初のレから「レミファソラシド」と自然に上がる音階までは下の段、それよりも高い位置の「レ」と「ミ」の音は上段に記載しています。
わらび座のイーハトーブシアターと宮沢賢治の歌
秋田県を拠点に活動する劇団わらび座は、宮沢賢治を題材にした作品を多数上演してきました。宮沢賢治の世界にわらび座の解釈をちりばめ、演技・舞台芸術・演出を通して表現しています。 イーハトーブシアター「真昼の星めぐり」では、物語の途中で主人公が「星めぐりの歌」を歌い、観客の耳と心に残りました。宮沢賢治の歌は子どもでも歌いやすい曲調と世界観のある歌詞で人々の心をひきつけ、これからも歌いつがれていくことでしょう。
歌から広がる宮沢賢治の世界
宮沢賢治の歌は、文学作品への導入としても非常に優れています。 短い言葉と旋律の中に、自然観や生命観が凝縮されているためです。歌をきっかけに宮沢賢治の童話や詩を読むことで、理解が深まることもあるでしょう。聞いたり歌ったり、体験して覚えた言葉は、後から読む文章とも自然につながります。
読む、聴く、歌うという複数の入口がある点が、宮沢賢治文学の大きな魅力です。 世代を超えて受け継がれていく理由も、ここにあると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回の記事では、宮沢賢治の歌についてご紹介しました。 歌という形で残された作品は、賢治の文学をより身近に感じさせてくれますね。
童話や詩に加え、歌にも注目することで、宮沢賢治の世界はさらに広がります。 子どもから大人まで楽しめる入口として、ぜひ歌にも耳を傾けてみてください。
おさらい
- 宮沢賢治は詩や童話だけでなく、自ら作詞作曲した歌も残している
- 代表的な宮沢賢治の歌、「星めぐりの歌」
- 「星めぐりの歌」の歌詞の紹介
- 「星めぐりの歌」のドレミ楽譜とひらがなの歌詞
- わらび座の劇で「星めぐりの歌」が使われ、歌いつがれるきっかけとなっている
- 歌をきっかけに、宮沢賢治の童話や詩の世界へと関心を広げることができる




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